賛同表明団体

 

 

 

学校ストライキへの
NGOの関わり方
ガイドライン

 

 

 

近年、学校ストライキ(Friday for Future)は世界中に広がりました。これらは、有機的な草の根運動で、主に若者がリーダーシップをとっており、史上最も大きい世界規模の気候変動モビリゼーションの一つとなりました。

この若いオーガナイザーの多くは、NGOや定評のある気候変動関連の団体にサポートを求め続けてきました。直接的にサポートを頼む時もあれば、間接的に、「大人も自分たちでやるべき部分をやって欲しい」、つまり大人は大人をオーガナイズして欲しい、というものもありました。そして彼らは今、はっきりとこの9月の気候マーチに私たちにも参加してほしいと呼びかけています。(LINK

しかし、この若者による運動は素晴らしいものであると同時に壊れやすいものでもあります。有機的に(自発的、多発的に)広がったものであること、<とても>若い人たちがリードしているということ、Centralization (全体を一つにまとめる構造や力)が欠けていること、DIYの文化や予算なしでの活動、これらの特徴はこの運動が成功した最も大きな理由の一つであると同時に、この運動が継続し、彼らが求める変革を実現するにあたり、一番大きな弱点の一つでもあります。

だからこそ、NGOや他団体がこの運動の波に参加しようとするときは、十分な配慮をすることが必要となります。この運動へのサポートをするべきであり、彼らに集まっている注目を利用したり、彼らや参加者を(自団体の活動へ)リクルートすることは違ってます。 

以下のガイドラインは、Jemez Principles(LINKという考え方に着想を得たものです。このガイドラインは9月の気候マーチに参加する団体が公式に同意を表明しなくてはいけない、とうものではありません。私たちが一緒に努力をする過程において、どんなスピリット(雰囲気や精神)でやるかを定義したものです。

 

私たちは学校ストライキの波をブランド化(し利用)しません

このような(運動の)勢いが生まれるのに貢献した人(団体)もいるかもしれません。でも、この素晴らしいうねり(モメンタム)に繋がる日々のオーガナイジングをしてきたのは若者たちであり、彼らは彼らのネットワークを使ってそれを達成しました。また、若者たちの中には、私たちの団体に所属する人もいるかもしれません。でも、彼らはどこかの団体の一部として活動しているわけではありません。彼らのキャパの中でこれらを達成しているのです。私たちはこれに敬意を払うことにコミット(決断)し、自分の団体のロゴやスローガン、特定のキャンペーンにこの運動を利用することはしません。 

 

私たちは、学校ストライキを後ろからサポートします。

私たちは、(前にではなく)後ろに立つことにします、もしくはそれを学びます。私たちは後ろに居続けます。それは、背後から物事をコントロールしたいからではなく、よき仲間(サポーター)でいたいからです。モメンタム(勢い)を構築するのを必要とされた時にサポートし、同時に若者がこれにまつわる様々な活動の中心に、もしくは随所に居られるように配慮します。これは、 私たちの団体の活動の参加者やメールリストを増やす時ではなく、若者がリードして起こっている歴史的な瞬間なのです。私たちは立ち上がり、自分たちの役割、大人をオーガナイズすることを全うしますが、どう進めて行くかにおいては十分な注意(配慮)をし、それには学校ストライキのオーガナイザーの人たちの意見を常に聞き、常に彼らと議論を重ねます。 

 

私たちは、透明性をもち、私たちの決定に責任を持ちます。

私たちは、この瞬間を奪いたくはありませんが、同時に、陰で力を握るようになることもしたくありません。そこで、私たちの学校ストライキについての会話や行動については、定期的にオーガナイザーがコーディネーションに使っているチャンネル(ワーキンググループや、テレグラムグループなど)でレポートします。また、当然ですが、意図したかしないかに関わらず、私たちの行動が引き起こす結果について責任を持ちます。

 

私たちは、尊厳や敬意、平等な機会へコミットし(決意を持ち)ます。 

全ての人(若者)が私たちの役割(関わり方)についての討議に貢献し、私たちの決定事項や行動に反対意見を述べる平等な機会を与えられるべきです。私たちの考えに反対する人(若者)や批判する人(若者)を含む全ての人(若者)を尊重し対等に接します。そして、私たちに同意する人(若者)だけが前面に出て行くように促したりはしません。

 

私たちの経験をシェアします。

私たちの今までの活動を通して得た過去の成功や、そして何よりも失敗の経験を若者たちにシェアします。リクエストがあれば、学校ストライキのオーガナイザーたちに向けて、戦略、コミュニケーションの方法、オーガナイジングの方法などのトレーニングをオンラインセミナーやガイド、そして場合によっては対面で直接伝えていきます。

 

私たちは、多様性を促進し、平等を重んじ(あらゆる人との)共生を育みます。 

私たちはこの現在の状況を、より多様性溢れる気候運動を意図的に構築するチャンスとすること、そして、多種多様な発言やストーリーをサポートすることにコミットします。初期の活動の注目の中心はヨーロッパ(もっと言えば経済的北諸国)に限られていましたが、これは今、全世界に広がりつつあります。私たちは、経済的南からの活動、声、プロジェクトをサポートすること、同時に経済的北の中でもこの戦いの前面にいるのに、多くの場合注目されていない人々へアウトリーチやサポートが行くことにコミットします。

 

私たちは、学校ストライキ参加者の安全と健康を守ります。 

学校ストライキ参加者たちは様々な脅しや攻撃を受けてきましたし、受けていますし、また将来的に受けるでしょう。特定の国では、学校ストライキに参加するだけで抑圧されることもあります。また、メディアやSNSで個人的に攻撃された人もいます。私たちは、彼らをサポートすること、守ること、そして彼らが自分自身を大切にすることを助けることも私たちの役割の一つと考えます。