350 Japan ボランティア、サポーターの皆さん
本日、良いニュースが届きました。
みずほファイナンシャル・グループ(FG)が、石炭火力発電所向けの新規投融資をやめるという方針を発表しました。現在の与信残高3,000億円を段階的に減らし2050年までにゼロにするなど、メガ銀行としては初めて具体的に期限と金額に言及しています。
みずほFGは、昨年も新規石炭火力発電に対する投融資方針を発表しています。その時は、「国際的ガイドラインや導入国及び日本のエネルギー政策などに整合する場合」「超々臨海圧など高効率の案件」を例外扱いしており、それ以前に発表されていた三菱UFJフィナンシャル・グループFGの方針より後ろ向きであることで、NGOから批判を浴びていました。
今回の方針は、昨年の方針から脱石炭へ確実に前に踏み出したものと、それなりに評価できます。この背景には、投資家や環境団体からのプレッシャーがあると報道されています。
350 Japanの発足以来、マイ・バンク・マイ・フューチャー、レッツ・ダイベスト、もしもしキャンペーン、銀行本社前のアクション、様々な署名など、皆さんが声を上げたアクションが、みずほの方針改訂に実を結んでいます。改めて、これまでのご協力に感謝するとともに、この前進を喜びたいと思います。
ただ、気候危機解決のために脱石炭社会を目指すという点から見ると、今日発表された方針は充分とは言えません。パリ協定の1.5℃目標達成のためには、日本は2030年までに石炭火力を、既存のものを含め全廃する必要があります。また、2050年までには、石炭火力だけでなく天然ガスや石油など他の化石燃料からの排出も、ネットゼロのレベルまで減少させなければなりません。
2050年までに石炭火力をゼロというみずほの今回の方針では、到底1.5℃目標を達成することはできません。また、「当該国のエネルギー安定供給に必要不可欠であ り、かつ、温室効果ガスの削減を実現するリプレースメント案件は慎重に検討の上、対応する可能性あり」というような但し書の乱用が懸念されます。
特に、懸念されるのが、適用日前に支援表明済み案件として除外される可能性の高い、ベトナムのブンアン 2石炭火力発電事業です。スタンダードチャータードなど海外の銀行が撤退する中、国際協力銀行と邦銀4行が融資を検討していると言われています。私たちのお金がこのような事業に使われることに抗議の声を上げてきましたが、先行きは不透明です。
頻発する激甚災害など地球温暖化の影響が明らかになっている今、脱炭素社会への動きは誰も止めることができません。私たちの行動は多少時間がかかっても必ず大きな力となり成果をもたらします。
これからも、皆さんの変わらぬご協力をよろしくお願いいたします。
350 Japan 一同
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